短編集その2

   ★人気アイドルが僕なんかに惚れた話

「どうしてこうなっちゃったんだろうね?」
 まったくだ。アイドルとして全国に名を馳せている有名人が、何故に僕の上へと跨っているのか。
 クラスメイトであることしか接点はない。
 いままでロクに話したこともないのに、放課後になると僕を呼び出しては急に押し倒してきたのだ。
「は、早く下りた方が良いよ。こんなところ、誰かに見られて噂でもされたら……」
「ヤダ。どかない。アナタに好きって言ってもらうまではね」
「の、乃木さん……?」
「愛菜って呼んでってば」
「む、無理だよ。の、乃木さん、いい加減に下りてよっ。あと、パンツ返して……」
「だから、アナタが私のこと好きって素直に認めれば返すってば」
「僕はゲイだから……君のことは好きになれないよ」
「まだ言うかっっ!!」
 勃起した僕のペニスを、乃木さんが両股に挟んでスリスリと腰を振る。
「……うッ!」
「ほら、こんなに興奮してるじゃない。なにがゲイよ。情けないくらい我慢汁を流しちゃって」
「こ、これは生理現象だよ。い、いまはオナニーを控えてるんだ。孝弘くんへの想いを育ませる為に……」
「なぁ~~にが孝弘くん、よっ!!!!! このぉ、ホモチンポ! ホントは私にでしょ! 私のことが好きなんでしょ!?」
 乃木さんは激昂しながら力強くペニスを扱く。タイツの感触は思いのほか気持ちよく、腰が律動する度に射精感は高まっている。
「でも、だからって乃木さんが好きなわけじゃ……確かに君は素晴らしい人だけど、僕は本当にゲイだから恋愛対象には……」
「愛菜、だってば!!!!」
 あわや射精直前という所で、ようやく彼女の声が湿っていることに気付いた。
「乃木、さん?」
「ほんと、なんでっ……こんなバカでダサいモヤシなんかっ……」
 頬に一筋の雫が伝る。
「僕を好きなの?」
「なっ、なに自惚れてるのよっ! 私がホモを好きになるわけないでしょっ!!!」
「それは差別だよ……」
 声涙で否定するも明らかだった。乃木さんは涙を隠そうと両手で自分の顔を覆い、小刻みに震えながら悲嘆にくれていた。
「そんな。乃木さんに尽くしたい一心で家を売ったって人もいるのに」
「今日も、イケメンの先輩達に告白されていた」
「ぅっ、ぅっ、ぅゎぁぁん。私でも分かんないよぉ。こんな、ダサくて頭悪くてイジメられっ子で、運動も出来ず家も貧乏なホモなのに……アナタのことを視てるだけで胸が張り裂けそうなの……」
「(汗)」
「いまだって、アナタの情けないちんちんを見てるだけで、身体が熱くなってしょうがないの……」
「乃木さん」
「……愛菜って呼んでほしいの。本当に。それくらい、いいでしょ?」
「ま、愛菜さん……」
「ぅっ、ぅゎあぁぁん!!」
 よくわっがんねが、どうやらガチらしい。目の前のキュートな美少女は、本気で僕を好きらしかった。
「ぼ、僕はどうすればいいの?」
「私を愛して。愛するフリでもいいから……」
「それでいいの?」
「よくない。でも、そのうち私のこと好きになってもらうから……それまで、ずっと私の側に居て」
 夕焼けの背景に映える泣き顔がとても神秘的だった。

 ああ、もうビクンビクンだよ。
 愛菜さんの想いに反応した陰茎が、それに応えるかのように精気を爆発させた。かつてない量の精液が愛菜さんの全身を穢していく。
「あっ、ご、ごめん。いきなり射精しちゃって……」
 慌てて謝るが、当の本人は頬をほんのり染めて微笑んでいた。
「これがアナタの精液……嗅いでるだけで、私までイッちゃいそう。不思議な臭い……」
 むしろ悦に浸っている。何度も鼻を鳴らしては、精液から香る臭いを貪っていた。
 そして、口に運び……飲んだ。
「こ、国民的アイドルが、僕の精液をまるでコーヒーのようにっっ」
「美味しくて、素敵な味……」
 彼女の慈しみに心を打たれたと言おうか。
「あれっ。おちんちんがまた大きくなってく……」
「愛菜さんの反応が、その、嬉しくて」
 顔を赤くして言う僕に、愛菜さんはまた泣きそうな顔をしていた。

 

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